借入を多くしている、あるいはしていたという方は、その返済にあたり過払い金が発生している可能性があります。場合によっては貸金業者等から過払い金を取り戻すことができるかもしれません。
しかし過払い金の請求をするには、まず過払い金とは何かを理解し、そのうえでどのような状況にあれば請求が可能となるのかを整理していく必要があります。
そこでこの記事では過払い金請求について解説し、回収までの具体的流れも紹介していきます。

 

過払い金とは何か

過払い金とは、広義には払い過ぎたお金全般を指します。

 

しかし約束した返済額以上に支払ってしまうということは考えにくいです。そこで実際のところ過払い金と呼ぶときは、通常「利息制限法の上限を超えて支払った利息分」を指します。

 

つまり、支払ったのは当事者間で交わした約束通りの金額ではあるものの、その約束内容が法律に反しているため「払う必要のなかったお金」(=払い過ぎたお金)を過払い金として扱うのです。

過払い金が発生している可能性が高いケース

上述の通り、過払い金は法律による利息の上限設定の問題から生じるものです。

 

そこで特に過払い金発生の可能性が高いと考えられるのは、利息に関する定めが規定されている貸金業法が改正される前の2010年以前に借入をした方です(厳密には2010年6月17日より前)。

2010年以前は金利が利息制限法で定められている上限以上ではあるものの貸金業法上の上限以下の範囲(グレーゾーン金利)を設定するという事例がよくあったのです。しかし2010年以降は貸金業法が改正され、グレーゾーン金利は廃止。上限金利が20%で統一されているため過払い金が生じる可能性はかなり低くなりました。

 

いずれにしろ、20%を超えて返済した分を本来の上限に引き直して計算することで過払い金の大きさは評価できます。元本の大きさによって上限金利は変わってきますので詳しくは利息制限法の内容をよく調べる、あるいは弁護士に聞いてみると良いでしょう。

過払い金請求の方法

「過払い金があるかもしれない」と思慮する場合、どのように対処すべきでしょうか。ここからは過払い金の調査から請求までの方法を説明していきます。

弁護士に相談・依頼

ファーストステップとして重要なのは「弁護士への相談」です。

個人的に調査ができないわけではありませんし、直接貸金業者と交渉、請求することも可能です。しかしながらそのハードルは高いです。法律の専門的知識がなければ引き直し計算はできませんし、計算をするための取引情報の開示請求も行う必要があります。個人的な交渉を持ちかけてもまともに応じてくれない可能性がありますし、訴訟にまで発展するとなおさら専門的知見と経験が欠かせなくなります。

 

そこでスムーズに過払い金を回収するためにも、大きなトラブルを引き起こさないためにも、そして万が一訴訟にまで発展したときに備えるためにも、弁護士に相談することが大切です。

まずは気軽に相談を持ち掛け、ご自身が置かれている状況や契約内容について弁護士に伝えることから始めましょう。相談後、正式に弁護士に請求の依頼をすることが決まれば委任契約を締結します。

過払い金の有無の調査

弁護士はまず過払い金の調査を行います。そのためにはすべての取引情報を把握する必要がありますので、貸金業者に対して開示請求を行います。そして開示された情報に基づき引き直し計算、過払い金の有無とその大きさを把握します。

貸金業者へ請求

過払い金の存在が認められた場合、弁護士が貸金業者に対して請求を行います。弁護士が代わりに手続をしてくれることにより、相手方にもその本気度が伝わり、個人的に請求する場合に比べて応じてくれやすいです。

仮に即座に応じてくれない場合でも、請求をいったん行うことにより消滅時効が完成するのを防ぐことが可能です。

 

請求に応じず拒否している場合、訴訟を提起することになるでしょう。この場合でも弁護士がついていれば安心です。訴状の作成や訴訟行為も弁護士が代理人として行ってくれますし、依頼主自身が出廷しなくてよくなることもあります。

 

なお、交渉や判決の確定等により貸金業者に過払い金の支払い義務が生じたとしても、素直に応じるとは限りません。この場合には過払い金を回収するため強制執行を実施することとなるでしょう。

過払い金請求に関する注意点

過払い金の請求に関して注意すべき点をいくつか紹介していきます。

消滅時効の期間

権利には行使可能な期間が法律で定められています。

過払い金の存在が認められ、請求する権利が認められたとしても、行使可能な期間を過ぎていると回収するのは困難です。

 

この期間のことを「消滅時効」と呼びます。法定の起算点から一定期間が経過することで消滅時効が完成し、相手方は消滅時効を援用することで請求に応じる必要はなくなります。

 

過払い金に関しては、請求ができるときから10年で消滅時効が完成します。つまり完済してから10年以上が経過してしまっているなら過払い金を回収するのは難しいということです。

 

なお、近年消滅時効に関して法改正がなされています。2020年4月1日以降に生じる権利に関しては、「権利が行使できるときから10年」に加え「権利が行使できることを知ったときから5年」を経過したときにも消滅時効が完成するようになっています。より短期で時効を迎えやすくなっていますので要注意です。

貸金業者の破産

消滅時効が問題とならず請求権が認められるとしても、請求先が存在していなければ過払い金は回収できません。

 

貸金業者が破産しているのであれば当該法人は消滅したことになり、回収は不可能となります。原則としてその経営者らに請求することもできません。

 

この観点からも、過払い金請求は早急に行うことが大切といえるでしょう。

今後の借入

過払い金の請求は何ら不当ではなく、法律に基づいた請求であり、社会通念上も悪い行いではありません。

しかし過払い金の請求をすることによってその相手方との今後の取引はなくなってしまうかもしれません。相手方としても取引相手の選択は自由なのであり、自社にとって都合の悪い相手と無理に取引を行う義務はないからです。

したがって、過払い金請求によって一般に社内ブラックと呼ばれる、その金融機関のグループ内でのブラックリストに載ってしまうことがあります。

ただし、社内ブラックはその該当会社の関連業者に対して、今後取引ができなくなるのみです。CICやJICC、JBAといった信用情報機関のブラックリストとは異なり、他社であれば取引は可能だと言えます。

過払い金の請求は、貸金業者からするとクレームのように捉えられるかもしれませんし、ネガティブな印象を与えることがあります。そのため今後の取引は難しくなる可能性があるということは理解した上で、請求を行うようにするとよいでしょう。

ご依頼・ご相談は弁護士法人米盛法律事務所へ

弁護士法人米盛法律事務所は、福岡県(天神)で債務整理に注力した事務所ですので、過払い金及び債務整理のご相談をお受けしております。

過払い金請求については、着手金0円(詳細はこちら)でご依頼をお受けしております。

また、過払い金・債務整理に関するご相談は相談料無料となっておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。