法定相続分と遺留分の違いとは?
法定相続分と遺留分は相続財産を考えるときにとても重要になります。
法定相続分も遺留分も、遺産に対する相続人の取り分を指しますが、これらは大きく異なるものです。
この記事では、法定相続分と遺留分の違いと、それぞれの計算例について解説いたします。
法定相続分とは?
法定相続分とは、民法によって定められた、各相続人が受け取ることのできる遺産の取り分の割合のことです。
遺言書がない場合や、遺産分割協議で合意に至らない場合に、この法定相続分が遺産の分割の目安となります。
法定相続分は、被相続人の配偶者がいるかどうか、また、配偶者以外に相続人となる親族の順位に応じて割合が定められています。
この割合は、あくまで遺産分割協議を行う際の基準であり、相続人全員の合意があれば、法定相続分と異なる割合で遺産を分割することも可能です。
遺留分とは?
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に、法律上保障されている遺産の最低限の取り分のことです。
被相続人が遺言によって特定の人物に全財産を遺贈するなど、遺産の処分が自由に行われたとしても、遺留分権利者はこの最低限の取り分を、遺産を多く受け取った者に対して金銭で請求することができます。
遺留分を請求する権利には時効があり、遺留分の侵害を知ったときから1年です。
また、相続開始から10年間が除斥期間であるため、それを過ぎると遺留分侵害額請求権は消滅してしまいます。
法定相続分と遺留分の違いの例
法定相続分と遺留分の違いについて、具体例とともに見ていきましょう。
法定相続人が配偶者と子ども3人で、遺産総額が6000万円である場合、法定相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1です。
子3人は2分の1を均等に分けます。
■配偶者の法定相続分 = 6000万円 × 1/2 = 3000万円
■子ども1人あたりの法定相続分 = 6000万円 × 1/2 × 1/3 = 1000万円
一方、遺留分は、全体の遺留分が2分の1で、配偶者がそのうちの2分の1、子が残りの2分の1を3人で均等に分けます。
■全体の遺留分 = 6000万円 × 1/2 = 3000万円
■配偶者の遺留分額 = 3000万円 × 1/2 = 1500万円
■子ども1人あたりの遺留分額 = 3000万円 × 1/2 × 1/3 = 500万円
この例からわかるように、法定相続分と遺留分は、異なる割合で計算されます。
まとめ
法定相続分は、遺産分割の際の目安となる民法で定められた割合であり、遺言がない場合に適用されます。
遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に保障された最低限の取り分です。
遺言によって法定相続分を下回る財産しかもらえなかった場合でも、遺留分額については金銭で請求する権利があります。
相続でお困りの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。