相続財産に多額の借金があった|相続放棄するには?
被相続人の相続財産に多額の借金があったことが発覚した、というケースはよくある話です。
相続をすると、原則としてその借金も相続の対象になるため、どのように対処したらいいか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、相続放棄するにはどのようにすすめていけばいいかを詳しく解説します。
相続放棄とは
相続放棄とは、すべての財産を一切相続しないことです。
不動産や預貯金などの資産の相続はできませんが、借金を背負わずに済みます。
借金や未払金などのマイナスの財産がプラスの財産を上回っている場合には、相続放棄を検討しましょう。
相続放棄の流れ
相続放棄をする場合、家庭裁判所で相続放棄の申立てをする必要があります。
手続きには、さまざまな書類が必要になるため可能な限り速く収集に取り掛かりましょう。
相続放棄の手続きに必要な書類
相続放棄の手続きに必要な書類は以下の通りです。
- 相続放棄申述書
- 被相続人の住民票または戸籍附票
- 被相続人の死亡の記載にある戸籍謄本や除籍謄本
- 申述人の戸籍謄本
- 他の戸籍謄本(状況により必要な場合がある)
費用
相続放棄の手続きにかかる費用は、以下の通りです。
- 必要書類の取得費用
- 収入印紙800円分
- その他(交通費や郵便切手代など)
誰が相続放棄をするのかによって、必要書類は異なります。
実費として5千円ほどかかると考えておくといいでしょう。
相続放棄した場合、借金はどうなる?
相続を放棄したからといって、多額の借金が消えるというわけではありません。
借金の返済義務は、次の順位の相続人に引き継がれてしまいます。
親戚に相談をせずに相続放棄を行うと、親族間でトラブルに発展してしまう可能性もあるため必ず連絡をしましょう。
法定相続人が全員相続放棄をした場合、借金はどうなる?
法定相続人全員が相続放棄をした場合、被相続人の財産から可能な限り債務の弁済をします。
弁済できなかった分を相続人が弁済する必要はありません。
なお、被相続人の借金に連帯保証人がいる場合、相続放棄は関係なく一括返済を求められる可能性があります。
相続放棄ができる期間に要注意
相続放棄は原則として、被相続人が亡くなった日から3か月以内に行わなければなりません。
3か月以内に行わなかった場合、単純承認をしたとみなされて、借金や未払金などのマイナスの財産も引き継ぐことになるため注意しましょう。
まとめ
今回は、相続財産に多額の借金があった場合、相続放棄をするにはどうしたらいいかを解説しました。
被相続人が亡くなった日から3か月を過ぎてしまうと、相続放棄が認められなくなってしまうため、すぐに準備に取り掛かりましょう。
被相続人に多額の借金があり、相続放棄するかどうか迷ってしまった場合は、弁護士に相談することも検討してみてください。